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“意味”を目標にする目標設定の考え方 -良い目標は達成したも同然-

未来のビジョンを持つ

良い目標設定ができた時点で、達成したも同然だと私は思っています。

目標と言うといくつか種類があるかと思います。

個人、組織、社会などがありますよね。

ここでは組織⇔個人としての目標について考えていきましょう。

では、良い目標とはなにか。
それは“目標の意味を自分自身の言葉で話せる”目標なんですね。

そこに目先だけの目標設定ではなく、ゴールや将来、未来が浮かぶ事を想定した目標設定だと思います。

例えた状態が下の図になります。下矢印が現在地で、横軸を時間軸として見てみます(日でも月でも年でも構いません)

視覚化する事でイメージがはっきりしてくるんですね。

オレンジ色の矢印が現在地で、横軸を時間軸として見てみます(日でも月でも年でも構いません)

左の図は前回に対しての目標設定となっている為、目先という事が分かりますよね。

その為、未来のビジョンがない為、途中で障壁が発生しても解決する力まで至りません。
例えば最終地点が50ではなく、500だとしたらとんでもなく失敗すると思います。

右の図は先の将来像でこうなるというのがはっきりしている為、ビジョンが見えますよね。
その未来に対して今がここで、だから今年はこの目標設定にすると伺えますね。

更に途中でのアクシデントも想定している為、解決の為の選択肢を持つ事も可能となってきます。

このように良い目標設定ができたら、達成したも同然です。

このような目標設定ができるようになってくると、本人自ら走り始められるようになっていきます。

チームが勝手に動く為には自走目標が必要

どういうことか自動車に例えてみると、ドライバーが上司で車が部下だとします。

これでは指示を与えないと目的地まで行けませんが、自動運転の車の場合、目的地を指示すれば車が勝手に運んでくれます。

このように後者であればマネジメントのコストを下げる事にも繋がるんですね。
これだとお互い伸び伸びとやっていけるのでWinWinなんです。

一番理想形だと言えます。

自走目標あり=監督が指示をしなくても、チーム1人1人が考えて行動し、チームが能動的に動き、勝利に貢献する。

自走目標なし=監督がチーム内の1人1人に指示と確認を行い、チームを受動的に動き、勝利を目指していく。

このように自走できるような仕組みの目標を立てれる考え方が良いです。

まず自走できているか見極めるコツとして、
“目標を目指す意味が伝わっているか、説明ができるか”
“達成するスケジュールが明確になっているか”

この2つが言えれば大丈夫です。

更に確認の意味では、”あえて障壁を挙げるとしたら何があるのか”を聞くようにして、それが説明できることで相手の”進め方のうまさ”が分かるようにもなる為、マネジメント側は安心できて相手に任せて、待つ事ができるようになっていきます。

落とし穴として、トップダウンして来た目標を被せられることでダメなスイッチが入ってしまうことがあるんですね。

なんでこれをやらなければならないんだろうとか、本来達成すべきところに使う脳が、全く逆方向に使われてしまうんですね。

高速道路なんかで進むべき道に1時間走るのと、反対方向に1時間走るのに使う労力や時間と同じようなイメージとなります。

Do目標かBe目標か

まず”Do目標”と”Be目標”についてお話しますね。

結論から言うと、Do目標はだめでBe目標は良いという事になるんですね。

Do目標=する、やる(フワッとした考え方)
Be目標=である(定量化のできる考え方)

例を挙げます。

Do目標=仕事を頑張る、減量を頑張る、練習をがんばる、勉強をがんばる。
これだと、頑張る量が分からない、ゴールが見えない、成果物が見えない、これらから評価ができないというオチに繋がってしまいます。

自分自身もどこまで頑張るかが分かっていないので、妥協するか、体壊すまで一生走り続けることになってしまいます。

意外にもこのパターンは多いかと思います。

しかし、Do目標でも、先にある到達点が見えている場合は例外とします。

Be目標=仕事で案件数獲得1位をとる、生産売上10億を受注する、2か月後に5Kg落とす、冬までに平均点を10点以上あげる。

このように測定可能な事を定量化と言い、この考え方が大事となります。

逆に定性化とは、数値で測れないようなもので評価することを言います。

落とし穴として、定量ばかりに気を取られてしまいがちになった時の答えとして、

定量化なのか、定性化なのか分かれることも出てきますが、これはどちらでもないんです。

冒頭にもお伝えしましたが、

“意味”を目標にするのが大事。

それが数値といった定量的な時もあれば、定性な場合もありますよね。

だからどちらでもないんです。

その先に”意味”という答えに辿り着いていきます。

例を挙げます。

“売上1億とりましょう”と言われた時に、頑張ると言う人もいれば、自分には無理だと言う人もいるでしょう。

この時点で定量が良いとか定性が良いとかがなくなり、その先の意味ってところに繋がっていきます。

その意味として、この売上1億をとることで、”あなたのスキルアップに繋がるよ”でエモスイッチが入る人もいますし、”組織の貢献”ということでエモスイッチが入る人もいますし、そこを見極めて決めていくことが鍵となります。

定性化にはセリフメソッドが効果的

結論から言いますと、目標は定量化しないと評価のしようがないので、どうしても数値に置き換えなければいけませんね。

この”置き換える”というのがポイントで、その方法として”セリフメソッド”というものがあります。

これは、お客さん・上司・友人・家族など関係する第三者から、褒め台詞をもらおうという考えです。

例を挙げますと、

資料や発表の質を上げたい⇒上司からのフィードバック回数(いわゆる一発OK率)でクオリティ向上につなげる。

月の労働災害ゼロという目標だけだとマンネリ化してしまい、1件出ただけで終わってしまう⇒ゼロにする為にこういう事のリスト化やチェック項目化して定例会で水平展開しているといった取り組み活動+褒め台詞をいくつ。

単純な案件数ではなく⇒上司の褒め言葉が出るようなものを何件。

こうしたセリフメソッドを使う事で、あらゆる目標を定量化することが可能となってきます。

どんな仕事でも必ず褒められる事があるはずなんです。

万が一、誰からも褒められる事がないような仕事であれば、それはやる必要もなければ意味がないものになってしまうんですね。

褒められることを目標にすれば、求めていることを聞くようになりますし、目線が上がることで相談するようにもなることで打率が上がることに繋がります。

セリフメソッドは個人の視点を上げる目標になるんですね。

行動習慣が変わります。

セリフメソッドの良いところは言うか言わないかだから、とてもシンプルなところが良いと思います。

個人目標ができる流れ

Objectives and Key Results(通称OKR)

これは”達成目標(Objectives)”と、目標の達成度を測る”主要な成果(Key Results)”を設定することで、個人とチームが同じ重要課題に取り組めるようになる目標管理の手法の事を言います。

理想として一番良いのは、組織目標が分かった上で個人目標を決めれることが一番良いですし、その方が達成度も上がります。

組織目標と個人目標を繋げられるようにすることを考えていくといいですね。

最初に組織目標を落とし込む考え方を話していきます。

それをやれるようにする為の考え方として、3か月後、6か月後、チームを良くする為にどうすればいいか、意見を書いてきてもらいます。

ポイントは意見の中身ではなくて、持ってきてくれたところになります。

この時点で1人1人の意見を尊重するよ、チームとして存在を認めているよ、と伝えているわけなんですね。

次に、管理職やリーダーは組織目標に対して1人1人の意見は様々な考えがある為、ズレていることに気付けます。

ここで1人1人考えてもらった組織目標を元に小グループに分けてのディスカッションとフィードバックを挟むことで、目線がだんだんと近づいていくんです。

そこで更に部長や経営陣などの観点からのポイントを味付けしてもらって、再度ディスカッションをしてもらいフィードバックをもらうことで、ばらばらに向いてたベクトルの精度が増していくんですね。

これで組織目標の落とし込みは良いですね。

そしてこれが個人目標に繋がるわけなんですね。

続けて今度はそれを、個人の目標に落とし込んでもらってから同じように小グループでのディスカッションとフィードバックをしてもらいます。

そうすると、もう既に組織目標の意味が分かっているので、組織貢献を前提とした個人目標が生まれてくるんですね。

例を挙げると、仕事だったら数字を上げる事しか意味が感じられなかったものが、貢献しながら自分のスキルアップができていくようになるんです。

全然レベルや質が違います。

ポイントはユニット毎に小さい単位でマネジメントすることが大事になります。

スパン・オブ・コントロール

管理職1人が向き合えるのは5~6人までと言えます。

それ以上になると一気に雑になると言われるくらいです。

これは、アメリカ軍での用語でスパン・オブ・コントロールという考えに基づいています。

日本では”管理限界”という意味になります。

人のなり、家族構成、モチベーションなどを知るにはそれくらいが限界になるとの事です。

これはもちろん工夫の仕方でそれ以上も可能にはなります。

一般的な目安とお考えください。

目標を視界に入れよう

目標を決めるまでは良いのですが、決めたあとがどうしても形骸化しやすいんですね。
形骸化:中身を失って形だけが残った状態のこと。

まず、”良い目標ができたら達成したも同然”とします。
良い目標の定義はこれまでで伝えてきてるので割愛します。

一言で言えば、目標について語れますし、話す事で記憶に残って忘れていかないからです。

ここでは目標を視界に入れる為に、どうすればいいかをお話していきます。

壁に貼ることも良いですし、定例会を設けることも良いですし、デスクトップ画面にすることも良いと思います。

こういうことが大事なんですね。

更には、○○+数字といった組み合わせのように、面白おかしなキャッチコピーなんかの工夫も良いですね。

視界に入りやすく、思い出しやすくすることが鍵になります。

目標を決めるタイミングには何があるの

長期目標・・・3~5年だが抽象度が高い為、足元が見えにくくなり行動に繋がらない。例外としてここで引っ張れる人がいる事が一番理想となる。

中期目標・・・1~3年が良い。具体性があり、足元の行動も見えるギリギリのラインを狙ったところが1~3年になるのがオススメ。
見直すタイミングとしては3か月前くらいが基本となるが、途中で違和感や方向性が変わった場合などあるかと思います。

そんな時は、さっと変えた方が良いです。ここポイントです。

短期目標・・・3か月~6か月。個人としてピンとくる目標を狙うのが3か月~6か月が丁度良い。

ここまで目標について話しましたが、あくまでもキレイな言い方の中に合わせ込むとすると何時間でもかかってしまいます。

目標って正解がないことが決まっているんですね。

なによりも目標は合議制で決める事が危険であります。
※合議制:複数人での合議で決めること(幹部複数人は例外)

目標って弱くしたいという下方圧力がかかるものなので、限られた時間で決めて走るっていうことが大事です。

更に定期的な目標と成果のすり合わせが大切になります。

多面的な目標設定もある

エンジニア経験もある私もそうですが、複数で動くことがメインとなる場合は目標設定が難しくなってしまうこともあります。

現にエンジニアの方は何人もが難しいと言っています。

それはエンジニアは基本的に一人仕事ではないからです。やりとりも業務上も複数の部署や人数の中で関わっていく人達と成果を出していく為なんです。

シンプルに、成果=個人、にはならないということが前提になります。

ではどのように工夫しているかと言いますと私の知る範囲では、相互に目標を作って、相互に評価をするというキャリブレーションと言われるものをやることが多く、とても有効としています。

役割分担と評価が密接に関係していることが多く、その中でもどうしたら喜んでもらえるのかをお互いに出し合いながら効果性の高いものを設定していっています。

それにより多面的な目標を作り、多面的な評価をしています。

それでも大事なのは、やはり組織目標を理解していることですね。

最初は上流の意思決定に入っていないこともあり、組織目標が分からないまま先に個人目標を決めざるおえないのは、エンジニアの構造上あたりまえなので、そこから組織目標に結び付くものを選択していきます。

マストワン思考を使う

複数の目標があっても、その中で一番はどれか決めます。

それがマストワン思考と言うんですね。

目標が2つあった場合でも、並列してしまうと、足しても100にはなりません。

それは行き来が発生する中でロスが生まれる為です。

マストワン思考の中で力を引き出すことが良く、とても重要なのですが、他にもあることがほとんどなので、私はマストワンにリレーションシップを持たせる工夫をして盛り上げています。
※リレーションシップ:関係性、関連性のこと。

また、個人目標以外のことをやらなくなる原因というのもあります。

それは組織目標に合意がない時や、社員同士や仲間同士の関係性が悪い時です。

相手に協力をしなくなりますし、自分だけ目標達成できれば相手を蹴散らすとかなんでもやってやるといったマイナスの力が働いてしまうんですね。

改善する場合は、共通項を増やすということを多くすると良いです。

また組織貢献を拾う仕組みもあると良いです。

例えば、どの時に誰がルーズボールを拾ってくれていたのかを上司やリーダーが把握して、感情報酬として出すだけで組織貢献という評価に繋がります。

目標は何文字以内がいいのか

目標は20文字以内にすることで達成確立が上がります。

意義を含めたタイトルとして20文字以内です。

まとめ

長くなってしまいましたが、目標設定は本当に大変ってことなんですね。

本人の意志を聞く。

組織の方向性を紐づける。

ワーディングする。

目標設定能力は必ずトレーニングできるようになります。

最後まで、大切な時間を使って読んでくださったあなたに、良い事がありますように。

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